闘鶏用の「軍鶏」の血を引く、地鶏の最高峰
茨城県北部、袋田の滝で知られる大子町。
その町の中心部にひっそりとたたずむ一軒の割烹料理店が、いま全国のグルメたちをざわつかせています。その名も弥満喜(やまき)。

茨城が誇るブランド地鶏「奥久慈しゃも」を専門に扱う、この道一筋の老舗です。
今回は念願かなって訪問。
話題の奥久慈しゃも丼「極み」をいただいてきました。結論から言うと—「これは遠くてもわざわざ行く価値がある」。そう確信した一皿でした。

奥久慈しゃも丼「極み」2,310円(税込み)
弥満喜ってどんなお店?昭和から続く”しゃも一筋”の老舗割烹
弥満喜は昭和20年代から続く大子町の老舗和食店です。長い歴史の中で「奥久慈しゃも」に特化したメニューを始めたのは約10年前のこと。
それ以来、地鶏ファンのあいだで「大子に行ったら絶対ここ」という絶対的な存在になりました。
食べログ
「鳥料理百名店2025」に選出され、トリップアドバイザーでは大子町レストラン1位を獲得。
さらに2017年にはTBS「バナナマンのせっかくグルメ!!」で日村さんが訪問し、しゃもすき鍋の絶品ぶりを全国に紹介。その放送後は県外からのお客さんが続々と訪れるようになり、週末は開店前から行列ができることも珍しくありません。
店内は和の落ち着いた雰囲気。
蔵を改装したような趣ある空間に、テーブル席と奥座敷が用意されています。
駐車場は店前に数台分あるので、車でのアクセスも可能ですが、休日は満車になることもしばしば。
常陸大子駅から徒歩圏内なので、電車+徒歩という選択肢もおすすめです。

実際の体験談:筆者が訪れた日曜日の11時開店直後、すでに行列。それでも約20分ほどで入店できました。駐車場には他県ナンバーが多く並んでおり、その人気の高さを実感しました。

奥久慈しゃも丼「極み」をいただきました
今回注文したのは看板メニュー奥久慈しゃも丼「極み」2,310円(税込み)
しゃも丼には「通常版(むね・もも)」と「極み」の2種類があります。
極みに入っているのは…
- むね・もも・ささみ・手羽元
- レバー・砂肝・ハツ
つまり、しゃも一羽のほぼすべての部位を一杯に凝縮した、まさに「贅沢の極み」です。
丼のてっぺんには朝採れのしゃも卵の卵黄がひとつ、どっしりと鎮座しています。

食べてみた感想
箸でそっと卵黄を崩すと、濃厚な黄色が白いとろとろの卵とじに広がります。
まずその卵の濃さに驚く。普段食べているスーパーの卵とはまるで別物の深みと甘み。
奥久慈しゃもが産む卵は、飼育期間の長さと自然環境がそのまま味に出るのだと実感しました。
肉はむね・ももともにプリッとした弾力があり、嚙めば嚙むほど旨みがじわりと滲み出てきます。
地鶏らしいしっかりとした食感がありながら、しつこさがない。そしてレバー・砂肝・ハツといった部位も、それぞれの食感と風味がありつつ、親子丼の一部として見事に調和しています。
どの部位を食べても、納得のいく味。


丼ぶり一杯でしゃもの全てを知れる、という体験はここでしか味わえません。
付け合わせには、しゃもガラから取ったコクのある澄んだスープ・サラダ・漬物・手づくりこんにゃく(または茶碗蒸し)が付いて、満足感は申し分なし。

奥久慈しゃもって何がすごいの?ブロイラーとの違い、健康効果まで解説
誕生の歴史と血統
奥久慈しゃもは、茨城県内で系統選抜された闘争性の低い軍鶏種に、名古屋コーチンとロードアイランドレッドを交配して生まれた地域特有の地鶏。
茨城県養鶏試験場の技術協力のもと品種改良が進められ、1985年に「奥久慈しゃも」として本格的に生産・販売がスタートしました。
「しゃも」という名前はシャム(現在のタイ)から輸入されたニワトリに由来しており、漢字では「軍鶏」と書くほどもともとは闘鶏用の品種。
その気性の荒さを抑え、美味しさと育てやすさを追求した結果が、奥久慈しゃもです。
一般の鶏との決定的な違い
| 奥久慈しゃも | 一般のブロイラー | |
|---|---|---|
| 飼育期間(オス) | 110日以上 | 約40〜50日 |
| 飼育期間(メス) | 130日以上 | 約40〜50日 |
| 肉質 | 緻密・弾力あり | 柔らかく脂多め |
| 脂肪分 | 非常に少ない | 多め |
| 臭み | ほぼなし | 場合によりあり |
飼育期間はブロイラーのおよそ3倍。
全国の地鶏の中でも100日を超えるのは、奥久慈しゃもと比内鶏など数えるほどしかありません。
阿武隈山系と八溝山系に囲まれた自然豊かな環境でストレスなく育てられ、低カロリーの専用飼料と良質な水で飼育されます。
受賞歴と評価が凄すぎる
- 1988年「全国特殊鶏(地鶏)味の品評会」全国10種中1位獲得
- 2017年ミシュランガイド東京版で食材として高評価
- 2018年鶏として日本初の「地理的表示(GI)保護制度」登録
地鶏としての品質・信頼性は折り紙つき。
日本を代表するブランド地鶏のひとつです。
健康効果は?
脂肪分が少なく高タンパクな奥久慈しゃもは、ダイエット中の方や健康を意識する方にもぴったりの食材。
鶏の臭みがほとんどないため、内臓系(レバー・砂肝・ハツ)が苦手という方でも食べやすい傾向があります。
弥満喜では料理によってオス・メスを使い分けており、鍋料理には柔らかいメスのみを使用するなど、素材への細やかなこだわりが光ります。
弥満喜のほかのメニューも見逃せない
奥久慈しゃも鍋・すき鍋
しゃもの骨からとった出汁100%のスープが絶品の「しゃも鍋」。
甘辛のすき焼き風「しゃもすき鍋」も人気。シメはうどん・雑炊・ラーメンから選べます。
冬季限定「しゃもせり鍋」(11月〜3月頃)
しゃもガラ出汁と鰹出汁をブレンドしたスープに、地元農家が育てたせりを合わせた季節限定の一鍋。
奥久慈の冬を味わうなら、これを目当てに訪れるのも一興です。
シャモゲタン(要予約)
なんと奥久慈しゃもの参鶏湯(サムゲタン)まで楽しめます。要予約・二人前からですが、韓国料理ファンにはたまらない一品。
訪問前に知っておきたい実用情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 弥満喜(やまき) |
| 住所 | 茨城県久慈郡大子町大子741 |
| 電話 | 0295-72-0208 |
| アクセス | JR水郡線 常陸大子駅より徒歩数分 |
| 定休日 | 水曜日 要確認(訪問前に電話確認推奨) |
| 駐車場 | 店前に数台あり |
まとめ:弥満喜に行くべき理由はこれだ
弥満喜の奥久慈しゃも丼「極み」は、普通の親子丼ではありません。
日本が誇るブランド地鶏・奥久慈しゃもの全てをひと椀に詰め込んだ、唯一無二の体験です。
朝採れ卵の圧倒的な濃厚さ、部位ごとに異なる食感と旨み、そしてしゃもガラから引いた澄んだスープ—どれをとっても「本物」の説得力があります。
バナナマンも訪れ、食べログ百名店にも選ばれた理由が一口でわかる。
大子町を訪れるなら、袋田の滝と弥満喜はセットで計画に入れることを強くおすすめします。
※価格・営業情報は変更になる場合があります。
訪問前にサイトまたはお電話でご確認ください。
