2月1日、私は「白いだるま」に目を入れました
1月が足早に過ぎ去り、2月の声を聞いた今日。
私は3つの真っ白なだるまを前にしています。

去年は「高貴さや向上心」を願って紫のだるまを。
その前は「金運や豊かさ」を求めて黄色いだるまを飾っていました。
毎年、その時の自分に足りない色を補うように選んできただるまですが、今年は直感で「白」を選びました。
何かを成し遂げようとしない。
頑張らない。
できる限り手を抜く。
「見ざる・言わざる・聞かざる」を胸に、静かに目を入れた2月1日の記録とともに、意外と知らない「だるまの深い世界」を紐解いていきます。
【色別】だるまの色が持つ意味とは?紫・黄、そして「白」の真実
だるまといえば「赤」が定番ですが、最近はカラーバリエーションが豊富です。
- 赤: 魔除け、家内安全、開運吉祥。
- 紫: 高貴、長寿、品格の向上(私が去年選んだ色です)。
- 黄: 金運上昇、幸運、夢の現実(一昨年の相棒でした)。
- 白: 「清らかさ」「合格祈願」「原点回帰」。
特に「白」は、何色にも染まっていない状態を指します。
新しいことを始める時や、私のように「一度すべてをリセットして、ありのままでいたい」という時に最適な色なのです。
だるまは色によって、引き寄せる運気が異なります。
基本の赤だけでなく、今の自分の心にあった色を選んでみてください。
| 色 | 主な意味・ご利益 | こんな時におすすめ |
| 赤 | 魔除け・家内安全・開運 | 伝統を重んじたい、家族の幸せを願う時 |
| 白 | 原点回帰・清らかさ・合格祈願 | 何かをリセットしたい、真っさらな気持ちでいたい時 |
| 紫 | 高貴・長寿・品格向上 | ステップアップしたい、健康長寿を願う時 |
| 黄 | 金運上昇・幸運・夢の実現 | 商売繁盛や、明るい未来を呼び込みたい時 |
| 黒 | 商売繁盛・厄除け・黒字化 | 事業を成功させたい、悪い気を払いたい時 |
| ピンク | 恋愛成就・良縁・対人運 | 素敵な出会い、人間関係を円満にしたい時 |
| 緑 | 身体健勝・才能開花 | 健康を維持したい、自分の才能を伸ばしたい時 |
| 青 | 学業成就・仕事運向上 | 冷静な判断力を持ちたい、試験に合格したい時 |
| 金 | 金運・優勝・絶対勝利 | 大きな勝負事がある、最高の金運を掴みたい時 |

私は今年、あえて「白」を選びました。
多くの色を経て、最後に戻ってきたのは「何色にも染まらない白」。
これは諦めではなく、自分を解放するための選択です。
他の色との組み合わせ
一言でまとめると…
白いダルマは「過去をリセットして、純粋な気持ちで目標に向かうスタートを後押ししてくれる縁起物」として選ばれることが多いのです。
なぜ「だるま」は起き上がるのか?「七転八起」の科学
だるまの最大の特徴は、倒しても起き上がる「七転八起」の精神です。
構造的な理由(おきあがりこぼし)
だるまの底には重りが仕込まれており、重心が極めて低く設計されています。
物理学的には「安定した平衡状態」を保とうとする力が働くため、外力が加わっても元の位置に戻ります。
精神的な理由
この構造は、単なる玩具ではなく「何度失敗しても立ち上がる」という不屈の精神の象徴となりました。
しかし、今年の私はこの「起き上がる力」を、「無理に立ち上がる」のではなく、「本来の自分(中心)に自然に戻る力」として捉えています。
「起き上がる」とは、自分の「重心(本当の自分)」に戻ること。
外からの刺激(指で押されること)で一度は傾いても、中心さえしっかりしていれば、自然と元の位置に落ち着くのです。

現代のだるま事情:選挙時の政治家以外も買っているの?
「だるまだなんて、選挙に出る政治家か、古い体質の会社社長くらいでしょう?」
そう思う方もいるかもしれません。
しかし、今だるまは「インテリア」や「セルフケアのツール」として一般の人々に再注目されています。
- ミニマリストや感度の高い層
デザイナーズだるまや、今回私が選んだような「白一色」のシンプルなだるまを、北欧家具と一緒に飾るスタイルが増えています。 - メンタルケアとして
自分の決意(あるいは「頑張らない」という決意)を視覚化するためのオブジェとして購入する女性が急増中です。
だるまの聖地・群馬県と「空っ風」の秘密
だるまの国内シェア8割を誇るのが、群馬県高崎市です。なぜ高崎なのでしょうか?
そこには「上州の空っ風」が関係しています。
だるまは紙を何層も重ねて作られますが、乾燥させる工程で湿気は大敵。
冬の群馬に吹く乾燥した強く冷たい風(空っ風)が、だるまをパリッと丈夫に乾かすのに最適だったのです。
自然の厳しさが、あの力強いだるまを育てているのですね。
信州の冬を彩る「松本だるま市」の魅力
だるまの産地といえば群馬が有名ですが、長野県松本市の「松本あめ市(だるま市)」も欠かせない存在です。
「塩の道」から生まれた歴史
毎年1月上旬に開催されるこの市は、戦国時代に上杉謙信が敵対する武田信玄に塩を送った「義塩」の故事に由来します。
「塩の道」の終着点である松本で、塩への感謝と共にだるまが売られるようになりました。
松本だるまの特徴
松本で売られるだるまには、眉毛や髭に「本物の毛」が使われているものがあるのが特徴です。
また、独特の「福だるま」の表情は、群馬のものとはまた違った、どこかユーモラスで温かみのある顔立ちをしています。

城下町の風情の中で、雪を背景に並ぶ色とりどりのだるま。
その光景は、冬の厳しさの中に春を待つ人々の力強さを感じさせてくれます。
有名なだるま市
- 高崎だるま市(群馬): 1月1日・2日に開催される、日本最大級の市。
- 深大寺だるま市(東京): 日本三大だるま市の一つ。3月開催。
目を入れる方向は「左」から
一般的には、だるまの左目(向かって右側)から入れるのが正しい作法とされています。
これは、陰陽道において「左」が物事の始まりを意味する「陽」の位であることや、東洋の「左から右へと流れる」という考え方に由来しています。
まずは左目を入れ、願いが叶った際や一年を無事に過ごせた際に、右目を描き入れます。
目の大きさは「意思」の表れ
目の大きさに決まりはありませんが、一般的には「黒目」を大きく書くほど、その願いに対する意志が強いとされています
しかし、最近ではあえて小さく控えめに描いたり、優しい三日月型の目を描く人も増えています。
今回の私の「目入れ」:あえての選択
今年の私は、定説通り左目から筆を入れましたが、大きさにはこだわりませんでした。
結果、大きめになってしまいましたが…
「大きく目を見開いて、何かを掴み取ろう」とするのではなく、穏やかに、あるがままを眺めるような目。
「見ざる」を意識しながら入れたその瞳は、外の世界を厳しく監視するためではなく、自分の内側の平穏を見守るためのものです。
完璧な円を描こうとせず、筆が動くままに。
そんな「ゆとり」も、今年の私の大切なテーマです。
「見ざる・言わざる・聞かざる」で生きる2026年
今年の私は、だるまの目を入れながらこう思いました。
- 余計な情報を見ない(SNS疲れからの解放)
- 余計な不平不満を言わない(言葉を丁寧に選ぶ)
- 他人の雑音を聞かない(自分の直感を信じる)
「頑張る」ことが美徳とされる世の中で、あえて「頑張らない」「手を抜く」。
これは、自分をサボらせることではなく、本当に大切なことにエネルギーを残しておくための「戦略的な余白」です。

役目を終えただるまの行方:供養と処分方法
「願いが叶わなかったら?」「去年のだるまはどうすればいい?」という疑問は多いものです。
だるまは毎年買い替えるもの?
基本的には「一年ごとに新調する」のが一般的です。
これは、一年間の厄を引き受けてくれただるまに感謝し、新しい運気を取り入れるため。
しかし、愛着があれば無理に捨てなくても構いません。
願いが叶わなかった時は?
「叶わなかったからポイ」ではなく、「この一年、大きな災いなく過ごせた」ことに感謝して供養します。
だるまは「結果」ではなく「過程」を見守る存在だからです。
正しい処分方法
- どんど焼き(お焚き上げ)
小正月(1月15日頃)に地域の神社や寺で行われる火祭りで燃やしてもらうのが最も一般的です。 - だるま供養
高崎の少林山達磨寺など、だるま専門の供養を受け付けているお寺へ郵送・持参します。 - 自宅での処分
どうしても行けない場合は、塩を振って清め、綺麗な紙に包んで自治体のゴミ(可燃物)として出しても失礼にはあたりません。
感謝の気持ちが一番大切です
だるまは願いを託すだけでなく、最後をどう見送るかも大切です。
- 買い替えのタイミング
一般的には1年。
でも、叶わなかったからといって「ダメなだるま」ではありません。
その1年、あなたを守ってくれたことに感謝しましょう。 - どんど焼き
1月15日前後の火祭りで、煙と共に天へ返します。 - 家庭での処分
感謝を込めて塩で清め、白い紙に包みます。「今までありがとう」と声をかけるだけで、それは立派な供養になります。
まとめ:2月1日、白から始まる「頑張らない」物語
もし今、あなたが何かに疲れているなら、真っ白なだるまを手に取ってみてはいかがでしょうか?
何も書かれていないその顔は、「どんな風に過ごしてもいいんだよ」と肯定してくれているようです。
去年の紫、一昨年の黄色。
それらを経て辿り着いた「白」。
2月1日から始まる私の「手抜き」の旅。
「見ざる・言わざる・聞かざる」で情報を遮断し、自分の声だけを聞く。
この白いだるまの目が両方入る頃、私はどんな景色を見ているのか?
成し遂げることを手放した先に、本当の幸せがある…そう信じて、今日からゆっくり歩き始めます。
