目次
日本人のタンス預金の最新実態
日本では長年「タンス預金」と呼ばれる自宅現金保管の文化が今でも根強く残っています。
2025年現在の推計で総額は約60兆円にのぼっています。
これは日本の個人金融資産(約2,000兆円)の約3%に相当します。
近年は、新紙幣発行や預金金利上昇を背景に、タンス預金はやや減少傾向になっています。
政府は、新紙幣を発行することで旧紙幣から新紙幣に交換される際に50兆円を超えるともいわれているタンス預金の一部が消費や投資に回ることで経済を循環させることも期待しているものと思われています。
年齢層別の傾向
- 60代以上:年金生活への備えや銀行不信からタンス預金率が最も高いです
(銀行のデジタル化に対応するの大変だと思います) - 40〜50代:緊急時の備えや分散管理目的で一定数が現金保有
- 30代以下:キャッシュレス志向が強く、タンス預金は少なめ
(貯金ができている人がいないのかもしれません)
タンス預金のメリット・デメリット
メリット
- 災害やシステム障害時にすぐ現金が使える
- 銀行破綻リスクや口座凍結の影響を受けない
- 自分の資産を他人に把握されにくい
国に個人の資産を把握されないということもあります。
預金口座にマイナンバー登録が義務付けられているので、国は金融機関に預金している個人の資産保有額を把握することが可能になっています。
しかし、タンス預金はマイナンバーに紐づけられないため、国に個人の資産を把握されずに済むことになる。
デメリット
- 盗難や強盗、火災・災害で現金を失うリスクが高いです
- 相続時に遺産分割や申告漏れトラブルの原因となることも
- 保管者自身が存在を忘れる、親族による持ち出しリスクもあります
- 金利上昇局面では「預けないことによる機会損失」が拡大します
詐欺・犯罪リスクの現状
2024年〜2025年にかけて、振り込み詐欺や特殊詐欺の被害は依然として後を絶ちません。
2024年の特殊詐欺認知件数は、2万件超…被害総額は約 719億円 に上ります。
高齢者の現金保有が狙われる傾向が強く、オレオレ詐欺や還付金詐欺、フィッシング詐欺など手口も多様化しています。
最新の詐欺トレンド
- 国際電話やSMSを使ったフィッシング詐欺が急増
- 銀行や公的機関を装った偽サイト誘導が多発
かなりニュースにもなっているのに、減るるどころか増えているのが現状です。
ネット銀行の安全性と金利動向
2025年6月現在、日本の銀行金利は大きく上昇しています。
メガバンクの普通預金金利は0.2%、ネット銀行では0.2〜0.6%が標準、キャンペーンでは1%近い定期預金も登場しています.
ネット銀行のセキュリティ対策
- 二段階認証やワンタイムパスワード
- 不審な取引時のアラート通知
- 資金移動時のSMS認証
- 利用制限や出金限度額設定
注意点
- フィッシング詐欺やパスワード流出リスクはゼロではないのです。
- システム障害時やATM現金取引の不便さ、対面相談不可などのデメリットもあります。
便利ばかりではないし、高齢の方は登録や操作が、本当に大変だと思います。
タンス預金 vs ネット銀行 比較表
項目 | タンス預金 | ネット銀行 |
---|---|---|
安全性 | 盗難・火災・紛失・相続トラブルリスク高 | 不正アクセス・詐欺リスク有 |
利便性 | すぐ使えるが大金の管理は困難 | 24時間取引・スマホ管理可 |
金利 | 0% | 0.2〜0.6%(一部1%超も) |
リスク管理 | 自己責任 | 二段階認証などで強化可能 |
その他 | 災害時や銀行破綻時に強み | 手数料・ポイント優遇あり |
2025年の最適な資産管理方法
1. タンス預金は「最小限」に
- 災害や緊急時の備えとして、1ヶ月分の生活費程度を現金で保管
- 保管時は耐火金庫や分散保管を活用
- 多額の現金保有は避け、銀行等に預ける
2. メイン資産はネット銀行や証券口座に分散
- 預金金利上昇を活かし、ネット銀行を積極活用する
- 二段階認証や公式アプリ利用する(セキュリティ強化を忘れないでください)
- 金融機関を複数に分けてリスク分散(通帳もお金がかかりますので、確認してネット銀行等を視野に入れてください)
3. 資産運用も視野に
- 投資信託や新NISA、iDeCoなど非課税制度を活用した運用でインフレ対策
- ロボアドバイザーやミニ株投資も少額から始めやすい
4. 最新の詐欺手口を知り、対策を徹底
- 不審なメール・SMS・国際電話は無視
- 金融機関公式サイト以外からはログインしない
- 家族と情報共有し、電話での金銭要求には応じない
結論:2025年におすすめの資産管理法
「適度な現金+ネット銀行&資産運用」の組み合わせが最も安全かつ合理的です。
- タンス預金は最小限に抑え、盗難や火災リスクを回避
- 預金金利が上昇した今、ネット銀行の利便性と金利を最大限活用
- 新NISAやiDeCoなどの資産運用でインフレ対策と資産形成を図る
- 最新の詐欺手口に注意し、セキュリティ対策を徹底
結論ですが、家で保管することも、銀行に預けるにも不安です。
もちろん貸金庫も信用できない時代です。皆さんは、自分の資産をどのように守っているのでしょうか?
増やすことも大変ですが、守ることも大変な時代です。
最善の方法で、資産をお守りしてください。