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「足す」のをやめてみた一日。食べない時間、体はどう変わるのか?50代から始めるプチ断食入門

プチ断食

麹を仕込んで、発酵食品を選んで、寝かせ玄米を…

体に良いものを一生懸命「足して、足して、足し続ける」毎日。

でも、胃腸がずっと「稼働」のまま、本当に休めているでしょうか?

「引いてみる」という発想が、あってもいいと思うのです。

「食べないと不安」よりも、胃腸を休める時間をつくる発想が大事です。

目次

「足す」ことに疲れたとき、「引く」という選択肢があった

「体にいいもの、ちゃんと摂っているのに……なんだか胃が重い」

「発酵食品も食物繊維も意識しているのに、お腹がすっきりしない」

同世代の友人から、こんな声をよく聞くようになりました。

実は、それは足しすぎているサインかもしれません。

消化にはとてつもないエネルギーが使われています。

胃腸が「仕事中」の間、体はずっとその作業に追われている。

それが止まったとき、体は初めて「本当の休息」に入れます。

「引いてみる」…今日はそんな、少し意外な体のいたわり方をお話しします。

そもそも「プチ断食(16:8断食)」って何?

「断食」と聞くと、修行のようなストイックなイメージがあるかもしれません。

でも、ここでお話するのはもっとやさしいもの。

プチ断食(インターミッテント・ファスティング)とは、食べる時間と食べない時間を意識的に区切ることです。

なかでも「16:8断食」は、16時間食べない時間をつくり、残り8時間で食事をとる方法として広く知られています。

眠っている時間も断食の時間に含まれるため、実際に「がまん」しなければならない時間は思ったよりずっと短い。

そこが、シニアにも取り入れやすい理由のひとつです。

断食は我慢大会ではないこと。
16:8はあくまで一つの方法で、合わない人は無理にやる必要もありません。

基本のやり方とルール

項目内容
基本のやり方16時間食べない時間をつくり、残り8時間で食事をとる。例:夜20時に夕食を終え、翌日12時まで食事をしない。
睡眠時間を活用する眠っている間も断食の時間に含まれるため、実際にがまんする時間は意外と短い。
夜型の方は「22時〜翌14時」でもOK。
断食中に飲んでいいもの水・白湯・お茶・ブラックコーヒー・薄い出汁は可。
砂糖・ミルク入りの飲み物はNG。
頻度の目安毎日でなくてもOK。週2〜3回からでも効果が期待できる。まずは「食べすぎた翌日だけ」から始めても十分。
食事時間帯(8時間)のルール「8時間なら何を食べてもいい」は誤り。
栄養バランスを意識した食事を。ドカ食いは逆効果になる。

まずは12時間や14時間の断食から始め、体調に合わせて無理なく行うことが成功のコツです。

何時間で、体は何が変わるのか?時間ごとの体と心の変化

断食を試す前、私が一番恐れていたのは「空腹でイライラするのでは」ということでした。

ところが実際に12時間を越えたあたりで起きたことは、まったく逆でした。

体と気持ち、それぞれの変化を時間ごとに整理しました。

時間フェーズ体の変化気持ち・心の変化50代の実感
0〜4時間消化期胃腸が消化・吸収に集中。血糖値はまだ安定。変化なし。食後の眠気を感じる人も。まだ普通
4〜8時間胃腸休息消化活動がおさまり、腸が修復モードへ。胃が空になってくる。空腹感が波のように来る。「何か食べたい」という衝動。空腹を感じ始める
8〜12時間糖枯渇期肝臓のグリコーゲンが枯渇し、脂肪燃焼の準備が始まる。血糖値が安定してくる。空腹感が少し落ち着く。頭が静かになり、思考がすっきりしてくる。★ 頭がクリアに
12〜16時間ケトーシス脂肪をエネルギーに使い始める(ケトーシス)。細胞の大掃除・オートファジーが起動。「体が軽い」感覚。集中力が自然と高まる。余計なことを考えにくくなる。★★ 集中力アップ
16〜20時間オートファジー細胞の老廃物・古いタンパク質を分解・再利用。炎症が静まり、肌の修復が促進される。心が落ち着き、穏やかな気持ちになる。「余分なものを手放した」清々しさ。★★★ 肌・心が整う
20〜24時間深い浄化オートファジーが本格化。免疫細胞のリセットが起きるとも言われる。腸内環境が整い始める。達成感と静けさ。「食べなくても大丈夫」という静かな自信が生まれる。★★★ 深い安らぎ

★の数は「50代が実感しやすい変化」の目安です。
個人差はありますが、多くの方が12時間を超えたあたりから「何かが違う」と感じ始めます。

断食は、体をいじめる方法ではなく、胃腸を休ませて、食べ方を見直すための入り口です。
50代は体力や血糖調整の個人差が大きいので、短く始めるほうが安全です。

空腹のほうが集中できる、肌の調子がよくなる—その理由

なぜ空腹のほうが頭が働くのか

「空腹のほうが頭が冴える」という感覚、経験したことはありませんか?

これには科学的な理由があります。

空腹状態になると「グレリン」というホルモンが分泌されます。

このホルモンは食欲を刺激するだけでなく、記憶や学習に関わる脳の海馬を活性化させることがわかっています。

つまり空腹は、脳を鋭くするためのスイッチでもあるのです。

狩猟採集時代の人類は、食べ物を探すとき…つまり空腹のときが一番頭を使わなければならない時間でした。

体はその記憶を、今も持っています。

食後の眠気に悩んでいた方は、「昼食を軽くする」だけでも午後の集中力がまったく変わることに気づくかもしれません。

なぜ断食すると肌の調子がよくなるのか

16〜20時間の断食帯に入ると、細胞が古くなったタンパク質や酸化した脂質を自ら分解・再利用し始めます。

これが「オートファジー(細胞の自食作用)」で、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典博士の研究でも広く知られるようになりました。

このオートファジーは肌細胞にも起きます

「肌の内側からの大掃除」が行われることで、断食翌日に「なんとなく肌が明るい」「くすみが取れた気がする」と感じる方が多いのはそのためと考えられています。

50代以降は細胞の入れ替わりが遅くなっています。

だからこそ、この「内側からの掃除」がとくに価値を持つのです。

期待できる効果と、気をつけたいこと

プチ断食は体にうれしい変化をもたらしてくれますが、正しく行わないと逆効果になることもあります。

効果と注意点を、セットで知っておきましょう。

期待できる効果注意点・気をつけること
体重・内臓脂肪の減少(糖質・脂質が燃焼される)慣れるまで空腹感・頭痛・倦怠感が出る場合がある
オートファジー(細胞の大掃除)の活性化→アンチエイジング筋肉量が落ちやすい(食事時間に良質なタンパク質を意識して)
腸内環境の改善(内臓を休ませることで消化機能が回復)女性はホルモンバランスへの影響に注意(生理不順になる場合も)
集中力・思考力の向上(グレリンホルモンの分泌による)持病がある方・薬を服用中の方は必ず医師に相談を
血糖値の安定・肌の調子が整う断食明けのドカ食いは絶対NG。お味噌汁やお粥から始める

50代以降は血糖の調整力が若いころより落ちています。

いきなり24時間に挑戦するのではなく、まず14時間から試すのが安心です。

体調が悪いと感じたら、無理せず薄いお味噌汁一杯で終わりにして構いません。

あなたに合った断食のタイミングはこれです

「どのくらいの頻度でやればいいの?」これが一番よく聞かれる質問です。

正直に言うと、毎日やる必要はないし、毎週決めてやる必要もない、と私は思っています。

一番続けやすく体にも無理のないやり方は、次の3パターンです。

タイミング時間の目安こんな人にやり方のコツ
食べすぎた翌日に(リセット断食)14〜16時間初めての方・プチ断食が不安な方朝食を抜くだけでOK。
白湯と薄い出汁で過ごし、昼か夕食から再開。
月2回・新月と満月に
★おすすめ
16時間習慣として続けたい方カレンダーに丸をつけるだけで断食日が自動的に決まる。意志力不要。
季節の変わり目に(季節断食)20〜24時間慣れてきた方・より深いリセットを望む方春分・夏至・秋分・冬至のあたりに。年4回の「整える儀式」として。

初心者に絶対おすすめしたいのが「食べすぎた翌日のリセット断食」

慣れてきたら、月に2回・新月と満月の日に。

カレンダーを見るだけで断食日が決まるから、特別な意志力がいりません。

それが長続きの秘訣です。

さらに余裕が出てきたら、季節の変わり目に一度、24時間の断食を

年に4回だけだから「特別な日」として自分の中に位置付けられ、自分を整える静かな儀式になっていきます。

断食中に飲みたいもの、断食明けの「最初の一口」

断食中は固形物を避けますが、水分は積極的に摂りましょう。

おすすめの順番は、常温の水・白湯が基本

次に番茶・ほうじ茶など発酵・焙煎のやさしいもの。

そして薄い昆布だし・かつおだし

これらは胃腸への負担がほとんどなく、ミネラルや塩分も補えます。

断食中は袋を煮出しただし汁をそのまま小さなお椀で

そして断食明けの最初の一口は、だし汁に升本のお味噌をひとさじ溶かした、薄めのお味噌汁を。

固形の具材は入れずに汁だけ。

これが断食明けの胃腸を一番やさしく目覚めさせてくれます。

私が断食のたびに手を伸ばすのが、茅乃舎(かやのや)のだしパックです。

国産の焼きあご・かつお・うるめいわし・真昆布を使った無添加のだし。

化学調味料も保存料も食塩も入っていない、素材だけの出汁は、断食明けの傷つきやすい胃腸にも安心して使えます。

断食明けに「がっつり食べよう」はNGです。

断食した分、消化器官を労ることが、次の断食をうまくいかせる、一番の準備になります。

まとめ:引くことも、体への愛情です

麹を仕込んで、発酵食品を選んで、寝かせ玄米を炊いて。

それはどれも、体への大切なケアです。

でも50代の胃腸は、「一日くらい、何もしなくていいよ」と言いたいときもある。

胃腸を空にすることで、体は自分で自分を修復し、整え、また新しい一日を迎える準備をします。

断食も、発酵食品も、寝かせ玄米も——全部、あなたの体への「提案」です。

命令ではありません。

足すことと引くこと。

そのリズムの中に、50代のいちばん自然な健康があるのかもしれません。

まずは今夜20時以降、何も食べないことから。

それだけで、あなたのプチ断食は始まっています。

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ファスティングは、がんばって足す健康法に少し疲れたときの、やさしい引き算です。

食べない時間をつくることで、胃腸に休むきっかけを与え、食べ方や体との向き合い方を見直す時間にもなります。

大切なのは、長く我慢することではなく、自分の体に合う範囲で静かに試してみること。

まずは今夜、少し早めに食事を終えるところから始めてみてください。

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