先日の「チャトパテ」の記事にはたくさんの反響をいただき、ありがとうございました。
予告通り、翌日のパート先でネパール女子たちが持ってきてくれました!
ネパール料理の代名詞、「モモ(Momo)」です!
「これ、ネパールの餃子!」と笑顔の彼女たち。
今回は、その不思議な味の正体と、彼女たちと話して分かった「ネパール人の食の裏事情」をディープにお届けします。
見た目は点心、味は別世界?「モモ」を食べてみた
差し出されたのは、見た目は小籠包やシュウマイによく似た、コロンと可愛らしい形の蒸し餃子。
今回は市販の冷凍もの(鶏肉ベース)だそうですが、皮のモチモチ感は日本の餃子とは一線を画します。
一口食べて驚きました。
「……ん? カレー? いや、スパイス!」

形は中華料理の点心そのものですが、中身の餡はクミンやコリアンダーといったスパイスがガツンと効いています。
日本の餃子が「ニンニクとニラ」のパンチなら、モモは「スパイスの芳醇な香り」で勝負してくる料理でした。


謎すぎる「ピンクのソース」の正体は?
そして、一番の衝撃は彼女たちが手作りしてきてくれた「ソース(アチャール)」です。
見た目は鮮やかなオレンジがかったピンク色。
説明を聞いても「スパイスいろいろ!」としか教えてもらえませんでした…
説明の仕方もわからないし、言ったところでわからないでしょう?…という暗黙の了解です。
食べてみると、ピリッとした辛さの後に、フルーティーな甘みとコクが追いかけてきます。
「りんごと、あとゴマと、トマトと……」とのことでした。
「アチャール」はネパールの万能ソース!
彼女たちが「ソース」と呼んでいたものの正式名称は、「アチャール(Achar)」。
日本語に訳すと「漬物」や「ディップソース」となりますが、そのバリエーションは驚くほど豊富です。
今回、モモと一緒に持ってきてくれたピンク色のソースは、「ゴルベラ・コ・アチャール」(ゴルベラ=トマト)という、ネパールで最も愛されているタイプのもの。
実はこのアチャール、作り方によって全く違う表情を見せるんです。
- 生タイプ: フレッシュなトマトとスパイスを石臼で叩き潰したもの。
- 火入れタイプ: 今回のようにトマトを煮詰めて、ごまやナッツでコクを出したもの。
どんな料理も、この魔法のスパイスソースをたっぷりつけて食べるのが彼ら流です。

【解析】ピンクのソースの正体「ゴルベラ・コ・アチャール」
実はこのソース、ネパールでは欠かせない万能タレのようです。
- トマト(ゴルベラ): ベースの赤みと酸味
- ティムール: ネパールの山椒。これがピリッとした痺れを生む
- 白いりごま: 大量に入れることで、赤と混ざり「ピンク色」に!
- りんご: 本場では入れないこともありますが、日本在住のネパール人は甘みととろみを出すためによく隠し味に使います。
※ごまについてのワンポイントアドバイス!
彼女たちが作るあのピンク色のソース。
実は、「白いりごま」を軽く煎り直してから、ミキサーで他の材料と一緒に一気に粉砕するのが本場流なんです。
市販の「すりごま」でも代用できますが、粒の「いりごま」からその場で作ると、香りの立ち方が全く違います!
ごまの油分がトマトの赤と混ざり合うことで、あの独特の「クリーミーなピンク色」が生まれるようです。
「ネパール料理はみんな同じ味?」と感じてしまう理由
正直に言えば、私も思ったことがあります。
「ネパール料理って、なんとなく全部似たような味じゃない?」と。
でも、その感覚には理由がありました。
1. ベースのスパイスがほぼ共通だから
ネパール料理でよく使われる代表的なスパイスは、だいたいどの家庭料理でも共通です。
この「基本セット」が、ダル(豆スープ)にもカレーにも野菜の炒め物にも、そしてモモにも広く使われています。
日本でいう「しょうゆ+みりん+砂糖+出汁」の黄金比があちこちに登場するのと似ていて、舌が「知ってる香りだ」と感じるため、結果として「同じ味」に感じてしまうのです。
2. 脂や乳製品が少なめで、軽い仕上がり
インドカレーと比べると、ネパールの料理は油分やバター、クリームが控えめで、さらっとしています。
そのぶん「素材+基本スパイス」の世界観が強く出るので、料理ごとの差よりも「ネパールの香り」の印象が前面に出やすいのです。
3. 私たちがまだ「細かい違い」を聞き分けられていないだけ
ワインを飲み慣れていない頃は「全部ただの赤ワイン」に感じるように、スパイスの世界も同じ。
経験が少ないうちは、「苦味」「香ばしさ」「柑橘っぽい香り」「土っぽい香り」といった細かな違いが拾えず、まとめて「スパイシー」と感じてしまいます。
なので、「ネパール料理ってみんな同じ味?」と感じるのは、ある意味でとても自然な感覚。
むしろ、そこから「じゃあ何が違うの?」と興味を持ち始める入り口だと思っています。
でも、食べ進めると野菜の甘みや肉の旨味の違いが見えてくる…。
この「安心感のあるスパイスの波」こそが、彼らにとっての「おふくろの味」なのかもしれませんね。
ネパール人は牛を食べない…はずなのに「ステーキ大好き」の謎
ヒンドゥー教徒が多いネパールでは、牛は神聖な動物です。
だから「牛肉(ビーフ)」は食べません。
「じゃあ、肉は何を食べるの?」と聞くと…
「水牛(バフ)は食べています! めっちゃ美味しい!」と言っていました。
同じ「牛」に見えますが、彼らにとって普通の牛と水牛は全く別物のようです。
ネパールでは水牛のモモやステーキが超メジャーなんです。
日本に来ているネパール人の若者たち
そして、さらに面白いのが「ネパール人 in 日本」の食生活。
- 日本に来てからステーキや焼肉が大好きになるネパール人も少なくありまあせん
- 仕事仲間に連れられて焼肉にハマる人もいます
- 「宗教としてはNGだけど、家族や地域によってはわりとゆるい」というパターンもあるようです
グローバル化した今、「ネパール人=絶対に牛肉を食べない」という単純なイメージは、現実とはズレつつあります。
「基本は牛NGだけど、日本に来て世界が広がって「牛もアリ派」になった人」もいれば…
「今でも一切食べない人」もいる。
そういう多様さが実際の姿です。
私の周りにも「日本に来たら、焼肉もステーキも大好きになった!」という子が実際に結構います。
とくに男の人は…多いと思います。
「神様、日本なら見てないから大丈夫!」なんて笑いながら、夕飯は、吉野家の牛丼を食べる。
日本の柔らかい牛肉を楽しんでいるバイタリティ……本当に逞しいというか、明るいというか溶け込んでいます。
自宅で再現!「魅惑のピンクソース(アチャール)」レシピ
市販の冷凍餃子や、蒸し野菜にかけるだけで一気にネパール気分になれる、日本風アレンジレシピをご紹介します。
【材料】
- トマト(完熟):1個
- 白いりごま:大さじ3
- りんご(すりおろし):大さじ1
- ニンニク・生姜:各1片(すりおろし)
- レモン汁:小さじ1
- 塩:少々
- 一味唐辛子:お好みで
- ★ティムール(ネパール山椒): 少々(ネットで購入可能です!)
【作り方】
- トマトは粗みじんに切り、フライパンで形がなくなるまで煮詰める。
- 冷めたトマト、ごま、りんご、その他の材料をすべてミキサーにかける。
- 滑らかなピンク色になったら完成!
ネットで買える!モモを100倍楽しくするアイテム
日本のスーパーではなかなかお目にかかれない、モモ専用のスパイスをご紹介します。
ネパール山椒「ティムール(Timur)」
これを入れるだけで、ソースの味が「お店の味」から「ネパールの街角の味」に昇格します。
日本の山椒よりもフルーティーで痺れる香りが特徴。
モモ・マサラ(Momo Masala)
餡を作る時に混ぜるだけで、一瞬で本格的なモモの香りに。
普通のカレー粉とは全く配合が違います。
まとめ:異文化を「食べる」ということ
「次は何持ってくる?」なんて、もうすっかりネパール料理の虜になっている私。
彼女たちが教えてくれるのは、単なるレシピではありません。
神様を大切にしながらも、日本のステーキを「美味しい!」と楽しむ柔軟さ。
忙しく働きながらも、手作りのソースで人を喜ばせようとする心の余裕。
娘と同じ年の彼女たちと、餃子ひとつで繋がれるこの時間は、私にとって何よりのエネルギーチャージになっています。
皆さんも、もし「モモ」を見かけたらぜひ食べてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
